世界の多くの国々にとって８月１５日は特別な意味はない。２つ国にとっては激しい感動を呼び起こす。それは韓国と北朝鮮か。違う。韓国・北朝鮮は２つの国家（ｓｔａｔｅ）だ。韓国は１つの国（ｃｏｕｎｔｒｙ）だ。韓国とインドだ。８月１５日はインドの独立記念日だ。１９４７年に英国のインド統治が終わった。８月１５日には７５００万人の韓国人らと同じように１２億７５００万人のインド人が自由の回復を記念する。

自由を得た韓国とインドは、国が分断された。ヒンズー教の人たちの支配を恐れたインドのムスリムたちは自分たちだけの国家樹立を要求した。主にムスリムが暮らす亜大陸の東側と西側を差し迫ったように引き離して国境線を作った。「相手側」の地域に住んだ１２００万人の人々が、新しくできた線を越えなければならなかった。その過程でおぞましい殺りくが起きて１００万人が死亡した。新生国家パキスタンまでも１９７１年に分割された。パキスタンの東側はバングラデシュという名前で生まれた。やはり流血の惨劇を避けられなかった。

１９４７年以来インドとパキスタンは４度の戦争をした。核とミサイルで武装した両国関係は凶兆を帯びている。アジア大陸の胎生的な分裂をひっかき散らして世の中に出てきた餓鬼がいまだに満腹だとは思っていないようだ。

それなら韓国はどうか。日本の降参を受け入れるための一時的な分割が永続化し、残酷な内戦が勃発した。韓国人が渇望した自由には、想像できない悲劇をもたらした。

そのために外国人である私も８月１５日をひたすら嬉しく迎えるのは難しい。韓国人は自由のために大変な代償を支払う。北側で生まれた者には「自由」という言葉そのものが人生に適用されない。３５年間の日帝抑圧でも足りず北朝鮮の人々はその２倍に及ぶ歳月の間、自生的に生まれてきた暴君の支配を受けた。

７０年だ！一時的な分割がこれほど長引くとは誰が想像できただろうか。分断が長く続いてみたら、多くの世界の人にとってコリアはない。ただサウスコリア（Ｓｏｕｔｈ　Ｋｏｒｅａ）とノースコリア（Ｎｏｒｔｈ　Ｋｏｒｅａ）があるだけだ。戦後世界は「２つの韓国」しか知らない。

どのようにすれば韓国が今後、前進できるだろうか。その出発点は、言うことはたやすく実践は難しいが、過去にとどまらないことだ。起きたことは、すでに起きてしまった。誰も歴史を消すことはできない。だが私たちは過去のくびきから抜け出して、良い未来を建設することができる。


【コラム】ただ喜ばしいわけではない光復７０周年＝韓国（２）