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【時視各角】MERSが暴露した権力のノワール=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.15 13:44
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アルベール・カミュの小説『ペスト』は、194X年にアルジェリアの都市オランで広がる伝染病との戦争を描いている。4月16日、死んだネズミがあふれてきて不安感に襲われるが市当局は「死んだネズミの回収」だけを指示する。防疫所が乗り出すべきだという医師リウーの要請に防疫所長はこう答える。

「『命令があればそのようにするだろう』。メルシエが言った…市当局は自発的に何もするつもりも全くなかったし何の対策もなかったが議論のためにひとまず会議から招集することにした」

 
2015年6月大韓民国。MERSに対する政府の初期対応が失敗したことについて世界保健機関(WHO)合同評価団は「透明な情報公開が遅れたため」と指摘する。“カカオトーク”の声に乗って病院リストとMERS拡散地図が広まる状況で、政府はなぜ意味のない非公開原則に執着したのか。命令がなかったからなのか。

「措置はお粗末だったし、世論を不安にさせまいとする欲に相当部分あきらめたようだった…実際に憂慮するほど十分に糾明されす、したがって市民が冷静さを失わないだろうという点には疑いの余地がないという内容だった」(『ペスト』71ページ)

「火を通さないラクダ肉を食べるな」。予防規則の遵守はごく少数の美食家のためのものだった。病院・市民らと情報を共有して体系的な防疫マニュアルで不安を払拭させなければならないゴールデンタイムに、政府はうわさ対応マニュアルを展開していた。官僚らは感染の確率や致死率のような統計数値を羅列して「合理的な態度を失うな」と訓戒した。

「これという信念もなく公務を執行するようにしましたよ。彼ら(役人たち)には想像力が不足しています。災難に対抗する水準ではありません。絞り出した解決策は、せいぜい鼻風邪のレベルに過ぎません」(161ページ)

直接体験してみなければ想像できないことがある。朴槿恵(パク・クネ)政権の対策には「庶民の生活」が抜けていた。世宗(セジョン)市と忠清北道(チュンチョンブクド)の五松(オソン)で勤務する保健福祉部・疾病管理本部の実務者たちは大都市の市民生活から遠くかけ離れていた。高位官僚らや政治家たちは乗用車の後部座席に座って政府庁舎と国会、高級飲食店の間を行き来した。病院で、地下鉄で、バスでやむを得ず密接に接触して吸い込む息1つ、吐く息1つにも神経を尖らせなければならない市民たちの不安や怒りなどは彼らの眼中になかったのだろう。高齢・重症疾患者でなければ大丈夫だというような発表はまた何なのか。高齢者と重症疾患者はどうなっても仕方がないという意味なのか。


【時視各角】MERSが暴露した権力のノワール=韓国(2)

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