【中央時評】困難な時、さらに見えない大統領=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.15 11:07
最近の中東呼吸器症候群(MERS)拡散事態に対する朴槿恵(パク・クネ)大統領の対応を見ながら、ふと第2次世界大戦当時の英国王ジョージ6世の姿を思い出した。ジョージ6世は1936年、彼の兄エドワード8世が米国人の離婚女性と結婚したことで王位から退きながら予期せず即位することになった。ところが39年、第2次世界大戦が勃発した。英国はドイツ軍の直接的な侵攻からは免れていたが空中爆撃によって大きな苦痛を味わっていた。周辺では国王がカナダなどのより安全な地域に逃げて身を守るべきだという意見が少なくなかった。
しかしジョージ6世はこうした要求をはねのけてロンドンのバッキンガム宮殿にとどまった。40年9月7日にロンドン地域はドイツの初めての空襲があいイーストエンド(the East End)地域の民間人約1000人が命を失った。そして1週間後の9月13日、バッキンガム宮殿の前庭にもドイツ軍の爆弾が投下された。当時そこにとどまっていたジョージ6世夫妻はかろうじて命拾いした。死にそうな状況だったが王宮が爆撃された後、王妃はむしろ「私は、私たちが爆撃を受けてうれしい。その爆撃によって私たちは今や(ドイツ軍の爆撃で被害を受けた)イーストエンドの方々に面目が立った」と話したという。