地上のすべてのものを一掃しひっくり返す破壊力を持った超大型台風。彼はこの２０年間に自身が体験した４回の危機を「パーフェクトストーム」と語った。世界最大のネットワーク装備メーカーのシスコのジョン・チェンバース会長（６６）の話だ。昨年世界のシスコ人材の８％減員で４度目の渦を脱出したばかりの彼と９日に米サンディエゴのホテルで会った。最高経営責任者（ＣＥＯ）のポストを来月２６日にチャック・ロビンス上級副社長（４９）に渡し理事会議長に退く彼の最後のインタビューだった。

２０年の在任期間に彼は、昨年の人材縮小と合わせ、ドットコムブームが消え訪れた２００１年の経営危機、２００８年の金融危機、ファーウェイのような新たなライバルの出現にともなう相次ぐ業績悪化で４回の事業再編をした。

さっぱりした表情で現れたチェンバース会長は、「韓国は（ＩＴインフラがよく構築され）世界的に連結がうまくいった国のひとつで大統領の変化の意志も強い。問題は韓国企業がこうしたデジタル変化に合流する勇気があるかということだ」と指摘した。ただ特許共有をはじめとして戦略的提携関係にあるサムスン電子に対しては強い確信を示した。

チェンバース会長は、「昨年李在鎔（イ・ジェヨン）副会長に会って戦略的提携を議論した。彼が未来を見る方式はシスコと同じだった」と話した。彼はまた、「今後６カ月以内にサムスンは驚くべき変化を発表することになるだろう。（シスコの）パートナーとして肯定的な方向になるだろう」と明らかにした。チェンバース会長は李在鎔副会長を次期会長と表現したりもした。シスコとサムスン電子は最近企業間取り引き（Ｂ２Ｂ）市場を狙いセキュリティ分野などで緊密な協力関係を確かめている。

チェンバース会長は続けて自身の話題を再び切り出した。「１０年以内に現存する企業の４０％が消えるだろう」という彼の予測だった。すべての機器がインターネットを通じて連結される万物のインターネット（ＩｏＥ）を機にデジタル時代が開かれ、“破壊される”企業が生じるだろうということだ。彼は「破壊される企業」を挙げてほしいという質問にためらうことなく、「いま最も成功している企業だ。彼らは変わろうとしないためだ」と答えた。激変の時代に生き残る模範としては「ウーバーのようにすること」と助言した。ウーバーはタクシーを１台も所有せず、スマートフォンのアプリケーションを通じてタクシーサービスをする世界最大の会社だ。彼は「金融と流通、製造業を問わず、すべての産業がデジタルに変わることになるだろう」と話した。


シスコ会長「サムスン、６カ月以内に驚くべき変化を発表するだろう」（２）