３年目の権力は劇的なシーンを生み出す。盧泰愚（ノ・テウ）政権は３党合同（９０年１月）を果たした。それは韓国政治の衝撃的な再構成だった。金泳三（ＹＳ）の３年目は、歴史を正しく立て直すこと（全斗煥・盧泰愚両元大統領の拘束）だ。ＹＳは「光栄の時間は短く、苦悩と苦痛の時間は長かった」と述べた。その３年目は栄光の時間だった。金大中（キム・デジュン）の３年目は６・１５南北首脳会談だ。韓半島（韓半島）情勢は急変した。

李明博の４大河川は３年目に本格化した。４大河川事業は論争の種だ。賛否が依然として分かれている。だが、その治水事業は実績として存在する。執権の後半に廬武鉉（ノ・ムヒョン）政権は済州（チェジュ）海軍基地を模索した。任期末に事業推進は目立った。北東アジアの流れは荒波だ。中国と日本の海軍力の拡大は攻勢的だ。済州基地は韓国の未来安保を象徴している。

朴槿恵政権の３年目は何か。背水の陣が張られてから久しい。朴大統領は「今年が経済回復の最後のゴールデンタイム」と言った。青瓦台は２４の核心国政課題を出した。アジェンダは散在している。だが優先順位があいまいだ。４大河川、済州基地のような国策事業もない。「朴槿恵ブランド」は鮮明ではない。国民幸福時代、第２の漢江（ハンガン）の奇跡はスローガンとして散っている。背水の陣を導くトップは誰なのか。明確ではない。

李完九（イ・ワング）首相は国政革新を自認する。彼は長官らを促した。「成績の悪い長官たちには解任建議案を行使する」とした。経済・社会側の主要な長官たちはセヌリ党議員だ。ほとんどが来年の総選挙に再出馬する。李首相の話は破壊力を高めがたい。

ＪＰは案じている。「５年の大統領単任制は短く、時間が足りない」と述べた。単任大統領は虎の背中に乗る。背中から落ちれば権力は崩れる。走るしかない。朴大統領は「世の中が終わる日が、悩みの終わる日」と言った。トップの苦悩は運命だ。３年目の国政リーダーシップは、再構成と集中だ。権力の資産は限られている。公務員年金の改革の時が近づく。その前線に力を注がなければならない。そこを突破すればほかの改革もたやすくなる。朴槿恵政権のキーワードは「非正常の正常化」だ。その旗のもとで政策やブランド価値、人を再整列しなければならない。人は権力の資産だ。権力の動力はそれで再充電される。大統領は選択に慣れなければならない。権力トップの妙味は、決断から出てくるものだ。

パク・ポギュン論説委員


【コラム】権力の苦悩＝韓国（１）