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“視界ゼロ”永宗大橋の上で大型玉突き事故…事故車両1.3キロ連なる=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.02.12 09:14
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警察と消防隊員が11日午前、タクシーやバスなど車両106台が巻き込まれる玉突き事故で修羅場となった永宗大橋現場で状況を収拾している。同日の事故は濃霧の中でタクシー同士が追突することで始まった。
これ以上の修羅場はなかった。空港リムジンバスやタクシー、乗用車、トラックなど数十台の車両は、海の上の橋の中央で連鎖追突しながら原形がわからないほどゆがんだ。けが人はあちこちで泣き叫び、また救助を求めた。霧に覆われて一寸先も見通すことのできない「視界ゼロ」の状況で起きた出来事だった。

11日午前9時45分ごろ、永宗(ヨンジョン)大橋上部道路始点からソウル方面3.8キロ地点でタクシーや空港リムジンバスなど車両106台が巻き込まれる玉突き事故が発生した。この事故でキムさん(51)とイムさん(46)ら2人が亡くなって63人が重軽傷を負った。このうち2人は危篤状態だ。けが人は近隣16カ所の病院に移されて治療を受けている。けが人の中には外国人18人も含まれている。妹に会うために娘や孫とともに韓国に来て、本国に帰る途中で事故に遭ったタイ国人(58)は頭を負傷して重態だ。

 
同日の事故はタクシー同士の追突で始まった。一車線で運転していたユさん(60)のソウルタクシーが前方を走行中だったハンさん(62)の京畿タクシーに追突した。この勢いでハンさんのタクシーは2車線の方へ突き飛ばされ、2車線を走行中だった空港リムジンバスがハンさんのタクシーに突っ込みんだことで後に連なっていた車両が連鎖追突したものと警察はみている。

負傷したリムジンバス乗客のイ・サンホンさん(30)は「霧がとても濃くて車両のすぐ前さえ見えない状況だった。一瞬『ドン』という衝突音が聞こえたと思ったら乗客がいっせいに宙に浮いていた」と当時の状況を伝えた。イさんは「少しすると、バスの後方に車が次々と追突している音がしばらく続いた」とし「まるで映画で見た戦場のようだった」と話した。

同日の連鎖追突は初めての事故地点から1.3キロメートル離れたところまで続いた。調査の結果、106台の追突が確認され、過去最悪の玉突き事故として記録されることになった。これまでは2011年天安(チョナン)~論山(ノンサン)高速道路で発生した84台が巻き込まれる玉突き事故が記録に残っている。

事故の主原因は濃霧だった。韓国気象庁などによると、この日の永宗大橋は可視距離が10メートル余りに過ぎなかった。だが、永宗大橋には霧観測装備である視程計が一台も設置されておらず、正確な可視距離を測定できなかった。気象庁の関係者は「霧は局地的に発生するもので、正確な測定のためには永宗大橋など必要な場所に視程計を設置しておくべきだったが、そのためには予算が非常に不足している」と話した。

このため特定地域に対する霧警報や注意報を発令するのが容易でない実情だ。気象庁は2006年、西海大橋(ソヘデギョ)で霧によって大型交通事故が発生したことをきっかけに主要地点に関する霧注意報発表制度を試験運営していた。だが、正確度が30~40%に過ぎず本格的導入には至っていない。永宗大橋を管理する新空港ハイウェイ関係者は「永宗大橋の始まりと終わりの地点に霧を測定するセンサーを設置しているが結局は気象庁資料を参考にするほかない」と話した。

警察はスピード違反がなかったかどうかについても精密鑑識を行って、発見された場合は刑事処罰する方針だ。これに対し、玉突き事故の原因をつくったユさんは病院に移送された後、「何も見えない状況だったので時速20~30キロで徐行しているところだった」と主張した。警察は現場収拾を終えた後、同日午後3時ごろ、永宗大橋の通行を正常化した。

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