【コラム】ノーベル賞受賞者による絵と写真が伝えるもの(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.09.30 16:44
時には畏敬の念まで抱くノーベル賞受賞者に、これほど親近感を覚えたのは初めてだった。何よりも写真の中の受賞者の姿から、科学は私たちの日常とそれほど遠くないという気がしたし、科学がこんなふうに面白い芸術の素材になれることも悟った。実際、こうした有名科学者の人物写真は私たちにとって見慣れないものではない。アルベルト・アインシュタインがふざけて舌を出して撮った写真は科学を専攻していない人でも1回ぐらいは見たことがあるだろう。彼の72歳の誕生日パーティーで撮ったこの写真について一部では権威に対する嘲弄だと解釈しているが、筆者はその写真を見ながらまさにこのようなアインシュタインの自由奔放な思考と個性が、相対性理論を誕生させた原動力ではないかと思う。ジェームズ・ワトソン氏とフランシス・クリック氏がDNAの二重らせん構造模型を天井につくほど作って討論する写真もまた強烈な印象を与える場面だ。
もちろんたった1枚の絵と肉声録音で、ノーベル賞受賞者の偉大な業績を一部でも理解することは容易なことではない。それでもなぜノーベル博物館とリンダウ財団はこのような展示会を企画したのだろうか。科学技術のすそ野を広げて青少年や学生など若い世代に夢と希望、科学技術に対するインスピレーションを提供するためだ。