【取材日記】ノーベル経済学賞受賞者の警告と現在の韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.08 17:34
2008年9月、ソウル汝矣島にある韓国労働研究院の廊下で、温和な表情の米国の老紳士が記者に自分の著書を渡し、低い声で話した。「韓国の雇用市場は硬直している。このままでは脆弱階層がさらに厳しくなりかねない」。
彼が3日(現地時間)に他界したノーベル経済学賞受賞者のゲーリー・ベッカー・シカゴ大教授だ。ベッカー教授は労働研究院が主催した懇談会で、「雇用市場の硬直性が韓国経済の最も大きな障害物」と述べた。「非正規職の比率が高いのは、労働市場が効率的に作動しないため」と話した。ベッカー教授が出した解決法は、労働市場を柔軟にするというものだった。正規職の解雇が難しいほど、企業は非正規職を使うことになり、それに伴う苦痛は非正規職のような脆弱階層に傾くと説明した。