【コラム】サムスンの「危機経営」プラスよりマイナスが大きい(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.08.18 16:37
では、サムスンの経営陣は現状況を適切に打開しているのだろうか。大きな枠では底力を発揮している。しかし一部、期待以下の失望の部分が露出している。最近発表した経営刷新策がそうだ。サムスンは役職員を引き締めようとして、役員の出張の航空席をエコノミーに下げ、職員の出張費も削った。実際に経費を削減しようということではないはずだ。危機意識を植え付けようという措置と解釈される。しかし海外出張の女性職員が虞犯地帯の宿舎に宿泊する状況が発生し、組織がざわついている。
国も企業も難関に直面するほど、強く結束しながらも柔軟性を失ってはならないものだ。硬直すれば可能なことも不可能となる。下手な危機意識は組織の士気を落とし、本当の危機を招くおそれもある。水に落ちた人を見ると、自分の身長にもならない深さで死亡するケースが少なくないという。慌てるために疲れ、体が硬くなってしまった結果だ。水が身長以上の深さでも、余裕を失わず、横になった姿勢になれば、体は浮くものだ。最近、サムスンの役職員に会ってみると、何かに疲れ、追われているような感じだ。「厳しくても体当たりでやろう」という意欲は次第に弱まっているように見える。
◆中間配当も凍結