【コラム】その時、朴大統領は官邸にいた(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.08.18 13:45
朴槿恵(パク・クネ)大統領は4月16日の「問題の7時間」、青瓦台(チョンワデ、大統領府)官邸にいた。金淇春(キム・ギチュン)秘書室長は、この言葉がなかなか言えずに「位置に関しては私は分かりません」(7月7日)と国会で答弁し、セヌリ党の趙源震(チョ・ウォンジン)議員は「青瓦台の敷地内にいらした」(8月13日)と話した。問題の7時間というのは、セウォル号事故が起きた日、大統領が初めて報告を受けた午前10時から、午後5時15分に中央災害安全対策本部を訪問するまでの大統領の動向に関する疑問だ。青瓦台は趙議員を通じて7時間に、18回の電話あるいは書面での報告があったと明らかにした。問題は、対面報告や大統領が主宰した会議がなかったという点だった。この部分は本質的に海上事故のセウォル号惨事を政治的事件へと推し進めようとする悪意と結びつき、醜悪な怪談へと展開した。
最初に大統領がどこにいたかという単純な疑問は、朴大統領の疎通方式、判断力、危機管理能力に対する批判につながった。それは当然ありうる問題提起だった。そうしたことが「某所で朴槿恵-チョン・ユンヒ密会説」という悪意的で扇情的なデマに発展し、これを韓国の権威あるメディアが紹介した。良識ある人ならば口にするのもはばかられるようなこの醜悪な怪談は、7月30日の再・補欠選挙を10日後に控えて細菌のように荒れ狂った。デマは日本のある新聞にうつった。醜悪な怪談が国際化したということだろうか。セウォル号論争が「セウォル号以後の安全な韓国」に進むどころか、日本の嘲弄のネタになり下がったのが残念だ。セウォル号論争にはもう少し多くの事実が提供されなければならない。それでこそ噂や怪談がおさまる。