「事故を見て大きく失望せざるをえない」、「親御さんの心を踏みにじるならば地位の上下を問わず必ずそれ以上の責任を問わなければならないだろう」

朴大統領は１３日、ソウル龍山（ヨンサン）国防部で開かれた緊急全軍指揮官会議で「軍内に根が深い反人権的積弊の清算のために汎政府的な根本的再発防止対策を講じるように」と話し、このように強調した。

特に「このように緊急全軍指揮官会議を開くことになったのは軍統帥権者として皆さんにお願いしたいことを話すため」、「李舜臣（イ・スンシン）将軍が敵との戦闘で一番先頭に立って部下に勇気と希望を与えたように皆さんもそのような指揮官になってくれることを願う」と話した。続けて「社会と断絶した状況が発生しないように面会や書信交流、外出、外泊、休暇制度などで改善方法を探すように」と指示した。

朴大統領は最近議論になっている携帯電話の使用に関しては「本人達は使いたいはずだが若い将兵にには『駄目だ』と判断できる能力、健全な能力がある」と肯定的な反応を見せた。

朴大統領が全軍指揮官を呼び集めたのは先月１６日、青瓦台（チョンワデ、大統領府）昼食懇談会から１カ月も経っていない。今年６月２２日の師団銃器乱射事件に続き２８師団ユン一等兵（２０）殴打死亡事件が発生すると自ら乗り出した。会議には全軍主要指揮官１４５人の他に民・官・軍兵営文化革新委員会関係者１０人余りも参加して事故再発防止対策を議論した。

韓民求（ハン・ミング）国防部長官は１７枚に達する「兵営文化革新方案」（２０項目）を発表した。

まず、軍服務中である将兵の基本的人権を法的に保障するために訓令で運営した関連根拠の格を上げて「軍人服務基本法」を制定することにした。兵士の相互干渉や指示など私的な制裁を禁止する内容を含める。「軍パラッチ（軍隊＋パパラッチ）」導入案も出した。キム・ミンソク国防部報道官は「殴打や苛酷行為を目撃した第三者が申告した場合、現金を与えたり休暇を出す褒賞制度を導入して彼らに対する不利益や報復を防げる制度を導入する予定」と説明した。現在２５０人余りである人権教官を２０００人に増やし、最前方一般前哨（ＧＯＰ）部隊勤務６～８カ月間禁止されたＧＯＰ兵士に対する面会制度も新設することにした。だが、一部では「事故の度に急ごしらえの対策のレベルを越えることができないうえ、兵士が申告したら報復を恐れるだろうが『軍パラッチ』制度がまともに機能できるのか」という批判が出ている。

◆陸軍法務室長文論議＝陸軍法務室長のキム・フンソク准将がユン一等兵事件を２８師団から３軍司令部に移管して再捜査することに反発する文を公開し論議が起こっている。キム室長は今月１１日、軍内部通信網に公開した文で「世論に押されて配下（２８師団）検察官の法的良心に基づいた判断を最後まで守ることができず、口がいくつあったとしても言葉にならない。初任の検察官は卓越した情熱と法律知識を基に、暴行、苛酷な行為、死亡の結果に達する過程を完ぺきに特定して公訴を提起した」と主張した。当時、中尉身分の２８師団の検察官はユン一等兵加害兵士らに殺人罪の代わりに傷害致死罪を適用した。キム室長は繰り返し「誤った世論」という表現を使い、「政界とメディア、市民団体が便乗して油を注いでいる」と話した。