【コラム】労働の質に関心を向けよう=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.31 15:28
労働の質は一つの基準だけで判断することはできない。どれほどきついか、危険か、健康に有害かなどの「物理的」な側面がある。仕事をするうえでどれほど創意性が求められるか、仕事自体がどれほどおもしろいかという「知的」な側面もある。そして「心理的」な側面もある。例えば、非正規職であるため雇用が不安定なら、心理的圧迫のために労働に対する満足度は落ちる。労働の質を高めるのは、労働者の福祉向上のみもたらすのではない。労働者が疲労せず、仕事に面白さを感じ、心理的に安定していれば、労働者の生産性は上がる。
ところが、こうした生産性向上効果を知りながらも、個別企業の立場では一方的に労働の質を改善しにくい面がある。単独で労働の質を高めるのにお金を使うと(例えば非正規職労働者の正規職転換、安全装備の購買)競争で淘汰されることもあるからだ。したがって政府が規制を通じてすべての企業が同じようなレベルを合わせるようにしてこそ、企業が労働の質を向上させるのに費用を支出する誘因が生じる。もちろん、こういう提案をすれば、韓国政府が規制できない外国企業と競争する輸出企業は、どうすればよいのかと反問する人たちが多いだろう。しかし少し考えてみると、これは大きな問題ではない。