【コラム】アベノミクスがうらやましい(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.16 09:08
日本経済が20年間の長期不況の残滓を払い落とし、復活に向かっている。空港と歓楽街が賑わい、株価と不動産価格が上がっている。人手が不足する企業は有能な人材を確保しようと争うほど雇用があふれる。すべて「アベノミクス」のおかげだという称賛があちこちで聞こえる。アベノミクスとは何か。通貨・財政・産業政策を総動員し、なんとかして経済を回復させるという安倍首相の意志だ。日本経済復興のためには教科書にない極端な措置も辞さないという格別の決起だ。アベノミクスを構成する3本の矢のうち、すでに2本の矢が放たれ、最後の3本目の矢が弓を離れたところだ。
最初の2本の矢は無制限量的緩和による通貨増加と大規模財政赤字を覚悟した公共支出の拡大だった。通貨政策と財政政策の両面で無差別的な景気浮揚に乗り出したのだ。別の見方をすれば、無謀なほどの物量攻勢を通じて、日本経済を抑えつけていた円高の荷を減らし、消費税増税にもかかわらず内需消費を活性化した。最初の2本の矢はインフレとバブル再発の懸念を踏んで、沈滞していた日本経済をひとまず成長と再飛躍の方向に変えることには成功したようだ。何よりも安倍政権の一貫した成長志向のメッセージが慢性的な無気力症に陥った日本人と日本企業の心理を変えたという点が重要だ。朝日新聞が「アベノミクスは経済学でなく心理学」と伝えたほどだ。このすべての野心に満ちた政策の先鋒には安倍首相がいた。