【コラム】英雄・李舜臣と共にした一週間=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.30 16:16
乱中日記は普通の歴史の本とは真実の感度が違う。戦場の将帥の肉筆であるからだ。真夜中に将軍はろうそく1本に火をつけ、筆を持って一日を記録した。宇宙と向き合うその時間に、誰が偽りを書くだろうか。もともと文科を望んだ李舜臣は文章に対する執念が強かった。日記で満たせなければ詩を書いた。「閑山島の月が明るい夜に、望楼に一人で座り、大きな刀を身につけて深く悩んでいるところ…」。光化門の銅像の大きな刀が、私の小さな体の横っ腹に近づいてくるようだ。
『李舜臣の日記』を読みながら、ずっと映画『鳴梁』を思い出した。最も忘れられない場面は李舜臣が王に文書を書く場面だ。元均(ウォン・ギュン)の艦隊が倭軍に大破された。李舜臣は指揮権を再び握ったが、船はいくつもなかった。倭船は全330余隻だった。心配する王に李舜臣は筆をとった。「私にはまだ12隻の船が残っています」。恐れは千斤、勇気は万斤だ。
李舜臣のドラマから400余年が過ぎた。戦争はないが、国は依然として混乱と不安に包まれている。中国の覇権と日本の歴史挑発の間で韓国はサンドイッチだ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)はいつ核・ミサイルを持って最後のギャンブルをするか分からない。それでも国は道を見つけられずさまよう。数十年間戦争をしなかった軍隊は、軍靴のひもを解いている。ほとんどの知識人は時流に流され、是非をきちんと区別しない。核心的な野党指導者らが大統領周辺を嘘で謀略する。多くの国民が「新しい政治」という偽装の旗にだまされた。