【時論】世論裁判に踏みにじられた自由民主主義=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.07 15:58
マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学科教授のダロン・アシモグル教授は著書『国家はなぜ衰退するのか』で、包容的な制度が国家の興亡盛衰を決定するという結論を出した。包容的制度というのは、規則と法が生きていて、正しい機会を保障する手続きをいう。包容的体制は、社会紛争が制度化されたメカニズムと手段によって解決されるものだ。今回の事態を国家失敗論に代入してみれば、我々自らが適法手続きと手続き的正義、そして包容的制度を守ることができないことで、結局、大韓民国の失敗につながるのではないかという憂慮を生む。報道機関と政界が聴聞会を無力化させ、世論裁判を通じて文首相候補を袋叩きにする間、大統領をはじめ、誰もこれを止めることができなかった。
問題は韓国社会が法的手続きと自由民主主義が崩れる兆候さえも感知できないということだ。今後、自由民主主義のアイデンティティーが毀損される危険性はさらに高まった。なら解決方法は何だろうか。我々の社会の根本である自由民主主義のアイデンティティーからもう一度確実に整えることだ。自由民主主義の守護は政派的な利害関係から離れなければならない。自由民主主義が陣営論理や世代・地域主義で揺らいでもならない。何よりも行政府が政治化されるのは禁物だ。自由民主主義の国家アイデンティティーを守護しようという人物たちが政府を導かなければならない。少し視線を変えてみれば、進歩と保守の両極端的な概念を越える、その一方で既成政治に染まらずグローバル的な思考に柔軟な人材はあふれている。