【コラム】権力の危機、経済の危機=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.02 10:09
すでにそうした兆しがあちこちに現れている。4月に続き5月も生産と消費が減り、投資の不振が続いている。数カ月後の景気見通しを示す景気先行指数循環変動値は1月から下落傾向を続けており、現在の景気状況を示す同行指数循環変動値も3月から下り坂を歩んでいる。下半期以降は体感景気の不振だけでなく実際の景気が急激に落ち込む可能性が大きいという話だ。ここにこれまで経済を支えてきた輸出も増加傾向の鈍化が歴然としており、輸出増加にともなう韓国経済のトリクルダウン効果もますます減っている。内需の沈滞が続く中で輸出の成長寄与度まで落ちているのだ。
こうした局面で起きた権力の危機とそれによる国政推進動力の喪失は経済危機をあおる懸念が大きい。権力の危機は経済復興を目標にした規制緩和と景気浮揚策をまともに推進しにくくするもので、それによる失望感は景気下落をあおるためだ。経済危機は再び権力の危機を呼ぶ。経済的成就は他のどんな要素よりも政権に対する支持度と強い相関性を持つ。経済を回復させられなかった政権は他のすべての業績がいくら優れていても決して国民の支持を受けることができないという話だ。そして国民の支持を受けられない政権は権力の危機に直面するほかない。この点で朴槿恵政権は事態の本質はしっかりと把握しているようだ。今年に入って国政運営の中心軸を経済民主化から経済回復に修正し、具体的な成長目標とともに経済革新3カ年計画を出したのがそうだ。問題は権力の危機がそうした政策を押し進めていく推進力を失わせているという点だ。