【コラム】抗日「白頭血統」金正恩、対日関係正常化どこまで
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.04 15:12
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が騎虎の勢い(一度虎の背に乗ると、降りれば食い殺されるため最後まで走り続けなければならないという意味)という局面だ。日本の安倍政権と対北朝鮮制裁解除と拉致日本人問題を対等交換するビッグディールに合意したのだ。金正恩は勢いに乗って富士山を越えようとしているようだ。父・金正日(キム・ジョンイル)総書記が12年前、小泉元首相に会って解決できなかった宿題を解く心づもりであるように見える。
何より執権3年目の初めての外交パートナーに日本を選択したのが目を引く。「北東アジアで友人のいない金正恩と安倍の2人が手を取り合っただけ」(2日、韓国政府当局者)という“平価切下げ”もあるが、結果を速断することにはならない。もちろん北朝鮮が拉致日本人と関連したあらゆる事を打ち明けなければならない「本当の瞬間」が来るだろう。北朝鮮が約束した「特別調査委」がまともに活動するかもカギだ。それにもかかわらず、しばらく合意履行側に勢いがあるだろうという展望が優勢だ。意気投合の算法がどうであれ双方ともがお互いを切実に望んだためだ。
ところで金正恩の立場では悩みになる大きな課題がある。北朝鮮の政権基盤である「抗日」の旗をどのように降ろすべきかという問題だ。祖父の金日成(キム・イルソン)が朝鮮民主主義人民共和国を樹立(1948年9月9日)し、前面に出したイデオロギーと日朝修交という現実の調和だろう。事実、金日成はいわゆる抗日闘争革命エピソードを作るために操作と美化・誇張などの過程を経なければならなかった。ソ連軍将校時代の1941年に兵営で産んだ息子・金正日の出生年度を変えて「白頭山(ペクトゥサン)密林の野営地(密営・秘密キャンプ)」出身としたのも同じ脈絡だ。