【コラム】クネノミクスvsアベノミクス(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.26 10:27
これまでうまく行っていたアベノミクスは年初からふらつき始めた。円安で輸入物価が上がりデフレ脱出には成功したが、輸出は思ったほど増えず成長率も停滞した。ここに米国の量的緩和縮小に触発された新興国の金融不安は懸命に構築した円安基盤まで崩れさせた。すでに使ってしまった通貨と財政という2本の矢の大きな効果は1年で薄まってしまったのだ。問題はアベノミクスの成否を左右する最後の3本目の矢が弓を離れる前に推進力を失っているという点だ。アベノミクスの3本目の矢は構造改革を通じ新たな成長動力を備えるということだ。2本の矢が日本経済の墜落を防ぐための短期対症療法ならば、3本目の矢は日本経済の体質を変える中長期原因治療だ。当然苦痛も大きく抵抗も少なくない。ところがアベノミクスはここから詰まり始めた。規制緩和は遅く、労働市場改革は手もつけられなかった。ここに財政赤字改善のため4月に予定された消費税引き上げが重なればどうにか維持してきた成長の火種まで消える懸念が大きい。
これに対し遅れて始動したクネノミクスには通貨・財政手段を動員した短期浮揚策がない。代わりにすべての政策目標が経済の構造改革と体質改善に焦点を合わせている。公共機関と財政・税制・労働市場の改革を通じて基礎を固め、創造経済を通じて経済活動の方式を変え、規制廃止で内需・サービス業を新たな成長の源泉として育てるということだからだ。短期対症療法を掲げて中長期構造改善を後回しにしたアベノミクスとは初めからアプローチ方式が異なる。アベノミクスが3本の矢を準備して順に撃ったのなら、クネノミクスは矢を最初から3束準備して一斉射撃をする神機箭だ。
◇実践意志が成否のカギ