【コラム】依然として霧の中をさまよう韓国経済(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.30 09:15
久しぶりに韓国銀行(韓銀)が韓国経済について朗報を知らせた。7-9月期の韓国の国内総生産(GDP)が前年同期比3.3%成長したという。実質経済成長率が3%を超えたのは2011年10-12月期以来7期ぶりだ。3%台の成長率にこれほど感激するというのは、韓国経済がその間、どれほど成長に飢えていたかを逆説的に見せている。韓国経済はほぼ2年間も2%に達しない低成長を経験していた。前期に比べてもGDPが1.1%増え、2期連続で1%以上の成長率となった。これも2011年4-6月期以来8期連続の0%台成長率に終止符を打ったという点で喜ばしい。7-9月期の成長率だけを見ると、韓国経済がようやく底を打ち、本格的な回復に入ったように見えるかもしれない。
しかしそう断定しがたい点も多い。7-9月期の成長率に2つの錯覚現象が作用しているからだ。一つはいわゆる「基底効果」だ。前年7-9月期の成長率は1.6%だった。比較対象の成長率があまりにも低いため、今年の成長率が高く見えるということだ。もう一つはサムスン電子による錯覚効果だ。サムスン電子は7-9月期、売上高59兆835億ウォン、営業利益10兆1636億ウォンと、過去最大の実績を出したと発表した。サムスン電子を除いた残り10大企業をすべて合わせても、売上高と利益がサムスン電子1社分にもならない。実際、サムスン電子を除けば、韓国で有名な10企業の7-9月期の売上高と営業利益は前年同期比それぞれ1.2%減、8.8%減となる。残りの大企業と中小・中堅企業の実績はこれより深刻なはずだ。サムスン電子だけが好調ということで、成長の内容を見れば何もない。