【コラム】コダックの「集中投資の追憶」は他人事か?=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.28 13:48
中国に「98協議」というのがある。「コダックの没落を自ら招いた協約」として良く知られている。事情はこうだ。1990年代中盤、成長の限界に直面していたフィルムメーカーのコダックは、突破口を中国に見出そうと考えた。しかし容易ではなかった。富士フイルムが約60%の市場占有率を占めて独走していたためだ。破格的な戦略が必要だった。当時コダックのCEOだったジョージ・ピショー氏は、朱鎔基首相に会って「コダックの市場独占を認めれば、不良国有フィルム企業等を正常化させる」と提案した。国有企業の改革に熱を上げていた朱首相はこれを受け入れ、コダックと中国政府が1998年3月に締結したのがまさに「98協議」だ。
成功するかのようだった。コダックは3年で中国フィルム市場の50%以上を占め、中国全域に約8000の現象所を整えた。富士フイルムを追い出して中国の母屋を独占したわけだ。それが落とし穴だった。コダックは契約どおり12億ドルを国有企業の正常化に注ぎ込んだが、底の抜けた瓶に水を注ぐようなものであった。コダックが中国の泥沼に落ちてもがいている間に、世界のフィルム業界ではデジタル化がいち早く進行していた。コダックはデジタルの波に乗れず、破たんの道へと転落してしまった。「集中」投資が呼んだ惨事だ。