【噴水台】死後の世界もスペックによって道が分かれるとしたら=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.23 11:15
この間、母親に死なれた知り合いと食事をした。慰めの言葉をかけたら彼が夢の話を切り出した。葬式を終えて数日後に夢を見たのだが、母が数年前に先立った父の腕枕をして2人とも安らかに微笑んでいたという。「父はこれまで夢に現れることすらなかったが、本当に不思議なことで心が穏やかになった」と話した。聞く人の心まで温かくなる夢だ。
再び会えない人。夢にでも会いたいのが人情の常だ。黄真伊(ファン・ジニ)の漢詩(『相思夢』)が土台となった歌曲『夢』も「夢路しか道が無いから、夢路で行くの」で始まる。死によって引き裂かれた間柄なら、もっと切なくて切実になる。先人は死のかなたを努めて美化することによって慰めを得ようとした。「そこ(あの世)はどれほどいいのか。みんな行ったきり戻って来ないわけだ。そこから帰ってきた人が1人でもいるという話を聞いたことがあるだろうか」〔金烈圭(キム・ヨルギュ)『メメント・モリ(memento mori)、死を記憶せよ』〕