【コラム】成長・福祉の二兎を得たスウェーデン式改革=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.11 14:27
1980年代前後、世界的に最も発達した社会福祉制度を持つ国はスウェーデンだった。「ゆりかごから墓場まで」を実証するように、国家が国民の基本的生活水準を保障する責任を負う中で、企業と政府が個人の社会保険料を負担した。国民は保険料を一銭も出さず保育・養老・教育・医療などの無料福祉を享受できた。
こうした事情を遠い国の話と伝え聞いていた80年代は、スウェーデンを含む北欧の先進国が地上の楽園のように感じていた。しかし実際にスウェーデンを訪問した時に目に写った姿は、想像したものからはほど遠かった。ストックホルムの通りでは、仕事を探せない失業者が真昼から酒に酔ってうろついている姿が簡単に見うけられたし、公共サービスはもちろんデパートやホテルですら低い労働生産性とサービスの質を肌で感じた。決まった賃金の他にボーナスや追加所得の60%を税金として払わなければならない労働者たちにとって、さらに一生懸命仕事をすべき動機は見つけにくかった。民間部門の投資は硬直して経済は活力を失った。漠然と憧れていた福祉国家の幻想が崩れながら、私を襲った衝撃は小さくなかった。
スウェーデンの社会民主党出身で10年間首相を歴任したヨーラン・ペーション氏はこれを「福祉病」と説明した。熱心に仕事をする人とそうでない人の間の差がなくなり、多くの人が労働意欲を失って無力感にとらわれ、過度な福祉制度がモラルハザードを招いて結果的に社会的対立が深まったということだ。