【コラム】中国というオオカミが韓国の産業を襲う
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.07.29 13:28
1990年代末、当時の中国の朱鎔基首相は世界貿易機構(WTO)加入を推進した。業界の反発は大きかった。その時に流行した言葉が「オオカミがきた(狼来了)!」であった。“オオカミ(西側の企業)“に中国企業が食べられてしまうという危機感の表現だった。朱元首相は断固としていた。「オオカミは確かに来る。食べられないようにするには私たちが先に改革をして、産業をアップグレードしなければならない」。WTO加入によって改革を早めようとする“ショック療法”だった。中国は2001年末にWTOに加入し、2000年代に好況期を迎えることになる。
韓中自由貿易協定(FTA)交渉が、急流に乗っている状況だ。早ければ来月に基本指針(modality)交渉を終わらせて第2次協議に入ることになる。韓国内の一部でも“オオカミ論”が登場している。中国というオオカミが韓国の産業を襲うという憂慮だ。
韓国府は、情報技術(IT)・自動車・石油化学などの分野で得することができると話す。しかし容易ではないだろう。半導体・携帯電話・コンピューターなどのIT製品はすでに情報技術協定(ITA)によってほとんど無関税の恩恵を受けている。現代(ヒョンデ)起亜(キア)自動車は中国で売り切れないほどの自動車を現地生産している。中国業界の増設競争で見ると、石油化学分野の優位もその限界が明らかに見える。農水産物分野の開放で韓国の食卓を中国に譲り渡す可能性もある。“オオカミ”の襲撃だ。