【噴水台】火は誰でも怖いが、アシアナ機乗務員は違った
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.07.10 13:59
災難が近づけば、普通の人はまず恐怖を感じるものだ。心臓がどきどきし、手足は縮かむ。米国の心理専門家デーヴ・グロスマンとローレン・クリステンセンによると、これは生死を行き来する銃撃戦の瞬間と同じだという。2人の共著『戦争の心理学』は、極限状況で訓練された軍人と警察に表れる“スーパーマン”反応を紹介している。まず視野が鮮明になり、複雑な動きもスロービデオのようにはっきりと見える。もっぱら任務の考えだけで、恐怖を感じる暇もない。体が自ずと動き、負傷しても痛みを感じない。過度な没入で一時的な記憶喪失症状が生じたりもする。人体が生存のために隠れた力を最大限に稼動しながら表れる現象だ。重い自動車を持ち上げて下敷きになった子どもを助けたという母親の事例と同じ脈絡だ。
しかし普通の人は危機が迫れば、スーパーマンになるどころか、怖気づくものだ。身体が一時まひし、動けなくなる。第2次世界大戦に参戦した米軍小銃手の85%が1発も撃てなかったという報告もあるという。ハリウッドの災難映画はほとんど、こうした普通の人たちを悟らせる一人の英雄を主人公としている。ストーリーにはこうした公式がある。「ハンサムな主人公は根気と勇気で災難に全身で立ち向かう。不細工な悪党の妨害と自分だけ生きようとする利己的な妨害者の冷笑を克服し、結局、弱い人間を救う」。