突然主人公が変わった。ペトレアス前米中央情報局（ＣＩＡ）局長の不倫事件がアフガニスタン駐留米軍のアレン司令官とジル・ケリーさんの不適切な交際スキャンダルに変わりながらだ。脅迫メールを受けた被害者のケリーさんは、実はペトレアス前局長とアレン司令官、ＦＢＩ内部者などをつないでいた。ケリーさんはレバノンから米国に移住した移民家庭の出身で社交界の名士だった。

ケリーさんが８月から韓国の名誉領事を務めてきた事実も新たに明らかになった。米外交専門紙フォーリンポリシーは１３日、「ケリーさんが韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）支持のために働き、駐米韓国大使がフロリダ州タンパを訪問した際に地域財界関係者との会合をアレンジした」と伝えた。

この過程で韓悳洙（ハン・ドクス）前駐米大使が大きな役割をしたという。韓前大使が２月に辞意を表明する前に同地域を管轄するアトランタ韓国総領事館にケリーさんを名誉領事に委嘱することを要請したというのだ。韓大使も、「各種行事で会ったケリーさんが両国の経済協力を増進させるのに寄与したいという意思を明らかにしてきた」としてこれを認めた。金熙範（キム・ヒボム）アトランタ総領事は、「決められた手続きにより任命が進められた」と明らかにした。

１９６３年採択された「領事関係に関するウィーン条約」によると、名誉領事には何の特権もない。しかしケリーさんは１１日に９１１に電話をかけ、外交官特権を盾に自宅の庭に入ってきた取材陣を退去させるよう要求した。ケリーさんのベンツには「名誉領事（Ｈｏｎｏｒａｒｙ　Ｃｏｎｓｕｌ　１ＪＫ）」と書かれたナンバープレートが付けられているのも確認された。ケリーさんが職位を乱用していた可能性への懸念も出ている。フォーリンポリシーもケリーさんの名誉領事活動が、彼女がどのようにしてアレン司令官と“不適切な連絡”をできたかを説明できると分析した。一方、ケリーさん夫妻は銀行やカード会社から９件の訴訟を起こされるなど財政問題に苦しんでいることもわかった。