日帝が残した100年の野蛮…監獄書信検閲をなくす(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.09.21 15:57
故金大中(キム・デジュン)元大統領の逝去直後の09年10月。 延世(ヨンセ)大金大中図書館は、金元大統領が「3.1民主救国宣言事件」で1978年にソウル大病院特別監獄病棟に収監された当時、釘で書いた獄中書信の原本を公開した。 金元大統領は書信検閲を避け、菓子の包装紙などにメモを書いて家族や知人に伝えた。 知人だけが分かる英語のイニシャルや暗号を使ってメモを書いた。
金元大統領は清州矯導所に収監されていた80年当時に書いた手紙を綴り、84年に『金大中獄中書信』を出版した。 政治・経済・社会・宗教など各分野にわたる見解が込められた手紙は、婉曲ながらも流麗な文体で書かれている。 一部の人は、20世紀初めのイタリアの思想家アントニオ・グラムシの『獄中ノート』と比較したりもする。 独裁政権当時に思想の統制手段として悪用された書信検閲制度が、逆説的に時代の名著を生んだのだ。
申栄福(シン・ヨンボク)聖公会大教授の『監獄からの思索』も、書信検閲時代の名文に挙げられる。 68年の統一革命党事件で無期懲役を言い渡された申教授は20年間服役し、ちり紙や封函葉書などにごま粒ほどの文字で手紙を書き、家族に送った。 美しい文章と字体、深みのある事由が込められた文は98年に出版された後、10年以上も‘ステディーセラー’目録に入っている。