これだけなれば両国関係はほとんど最悪だ。根本要因は過去の問題だ。日本はまだ誠意ある解決意志を見せていないというのが韓国政府の認識だ。領土問題も日本が先に起こした。今年１月２４日、玄葉光一郎外相は議会で独島に対して「受け入れることができないことは受け入れられないと韓国に伝える」と話した。韓国政府はこれを「挑発」と受け取った。

両国の国内政治状況も良くない。政権支持度が大幅に下がった状態だ。これを挽回する突破口が必要だという点では両国が全く同じだ。特に日本では国力衰退により右傾化が明確になったというのが専門家たちの分析だ。両国とも理性よりは感情で反応する条件ができているわけだ。保坂祐二世宗（セジョン）大学教授は「両国が感情的接近より落ち着いてお互いに対しなければならない」と述べた。

状況が悪くなったが、高位級対話チャネルは詰まっている。互いに話が通じる両国の元老政治家たちが一線から退いたためだ。専門家たちは後遺症を心配する。世宗研究所チン・チャンス日本研究センター長は「両国関係が冷却すれば次の政府がかなりの費用を払わなければならないこともあり得る」と話した。

特に実質的協力が萎縮することが韓国・日本ともに大きい負担だ。今まで両国が推進してきた自由貿易協定（ＦＴＡ）、ＬＮＧ共同調達などは全て国益に直結した事案だ。だが、外交摩擦の中では漂流するほかはない。李大統領は日本を「近い隣であり、体制的価値を共有する友邦であり、未来を一緒に開いていくべき重要なパートナー」と規定した。それなら対立の拡散局面から抜け出すのが緊急の課題だ。互いに名分ある出口戦略を駆使しなければならないということだ。国民大学イ・ウォンドク（政治学）教授は「中国の浮上で日本は韓国との協力が切実で、韓国は日本との経済協力が依然として重要なので全面的な破局に進むことはできない関係」と語った。




感情の罠に閉じ込められた韓日関係（１）