【社説】韓米FTAはまだ始まりにすぎない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.11.24 15:53
韓米自由貿易協定(FTA)はまだ第一歩にすぎない。多くの苦難の末、批准同意案を通過させたと安心することでも、強行処理をしたといって場外闘争に出ることでもない。これから気をしっかりと引き締めていかなければならない。そうしてこそ、FTAを長く見れば先進化の契機、短く見ればグローバル経済危機の突破口にできる。FTAが通過したからといって韓国経済が自ずと良くなるわけではない。国内総生産(GDP)が今後10年間に5.7%さらに高まり、雇用も35万件が増えるというが、これはあくまでも予想だ。
米国とFTAを締結していない日本や中国、台湾などよりは、米国市場で競争優位に立つのは間違いない。また韓国と米国が公正に競争できる制度と規則を作ったのも事実だ。しかしこれが成功を保証するわけではない。相手チームよりいくら有利な条件で試合をしても負けることもよくある。少しだけ有利な状況から始まる韓米FTAもこれと同じだ。韓米FTAが「太平洋を横切る高速道路」になるかもしれないが、「悪魔とのキス」になる可能性も排除できない。どんな結果がもたらされるかは、全面的に私たちがどんな覚悟を持って、どのように準備するかにかかっている。これから米国と1対1で真っ向からやり合うだけに、競争は過去に比べてはるかに激しくなるだろう。ここで勝てば韓国の競争力と経済力は大きく高まるが、負ければその逆の結果を招くことになる。国民各自が十分に対応しなければならない。