【コラム】危機感が見えない韓国経済(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.06.22 15:30
ギリシャの財政危機解決策をめぐり限りなく議論をしているユーロゾーンは事情がもっと厳しい。ユーロゾーンではドイツを除いてこれといった回復の兆しが見えない中、各国が財政の手綱を締めるのに余念がない。さらに物価の安定を優先にして利上げにこだわる欧州中央銀行(ECB)が、景気浮揚のために今さら金融緩和に転じることは考えられない。財政危機の拡散を防ぐのに汲々とした欧州の立場では、当分は景気に気を遣う余裕はない。
景気の急落が憂慮された中国は幸い、ハードランディングは免れたとみられるが、相変わらずインフレと景気不振の間で綱渡りを続けている。インフレを抑えようとすれば景気が心配で、景気を生かそうとすればインフレが心配になる。少しでも間違うとバブルが広がったり、景気が悪化するかもしれないという不安が続いている。東日本大地震・津波で廃墟になった日本は今のところ、米国と中国、欧州など世界経済の3大軸が破局を避けながら、何とか持ちこたえている。うまくいけば今後もバランスを保ちながら峠を越すこともできるだろう。
しかしこの不安定な均衡はいつ崩れるか分からない危険をはらんでいる。各地域で内部的には経済が沈滞に陥らないよう管理することもできるだろうが、各地域の不安要因が思いがけない相互作用を起こすことになれば、世界経済が手の施しようがない沈滞に巻き込まれる可能性を排除できないということだ。