【噴水台】南と北
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.05.20 12:13
中国の知人の話だ。食事の席だった。ある友達が「蘇州人は南京人を見下す」と言った。南京がどこか。六朝の都邑だ。今は江蘇省の省都だ。江山が絵のような、文彩と風流の故郷だ。見下す理由がまたあきれてしまう。「北方人」であるがゆえに精緻でないからだそうだ。蘇州が同じ江蘇省内で南京よりやや南方なのにだ。中国南北の葛藤はこれほどに深い。
食べ物を見てみよう。北方人は大まかに食べて、南方人はこだわって食べる。「南方人が大まかに食べれば生きるのが嫌になり、北方人は生きるのが嫌になるとなおきちんと食べる」という言葉があるほどだ。中国の8大料理はたいてい南方だ。京菜(北京料理)と魯(山東)の違いがあるが、粤(広東)、川(四川)、湘(湖南)の違いが主流だ。北方人は肉を固まりで食べる。お酒もきつい酒をどんぶりで飲む。一言で痛快だ。南方は反対だ。肉を細かく切って煮込んだりやんわりと炒める。酒は低い度数を温かくして飲む。北方は饅頭・ニンニク・塩辛などを、南方は水ギョーザ・長ネギ・キムチを食べる。矮・高(小と大)、米麺(米と麺)、老・孔(老子と孔子)、柔・剛(柔らかさと強さ)、経・政(経済と政治)など南北の違いは果てしない。