韓国の意表を突いた北朝鮮の金正日（キム・ジョンイル）国防委員長の中国訪問が６日に終わった。金委員長と中国首脳部の議論内容が具体的に明らかにされていない中、金委員長が今回の訪中目的をどれほど達成したかに注目が集まっている。

北京の外交消息筋は「金委員長は過去の４度の訪中とは比較にならないほど困難な状況で中国を訪問した」とし「しかし金委員長の今回の訪問が期待以上の成果を得たかどうか判断するのはまだ早い」と述べた。

歌劇「紅楼夢」公演には金正日委員長と中国最高指導部が出席する予定だったが、突然日程がキャンセルになったことが確認された。「紅楼夢」公演会場だった北京放送局（ＢＴＶ）大劇場のある関係者は「当初は政府の最高位級が午後７時に公演会場に到着する予定だったが、理由も分からず突然キャンセルとなった。最高指導者の出席なしに公演は７時３０分に予定通り始まった」と説明した。

「紅楼夢」は中国の代表的な古典文学作品で、金日成（キム・イルソン）が歌劇化し、金委員長本人がリメークを指示したことで、朝中友好の象徴と見なされてきた。「紅楼夢」の観覧が不発に終わり、金委員長が夕食会にも出席しなかったため、訪中の成果が当初の期待に達しなかったのではないかという分析も出てきている。

◇訪中の損益計算書＝金委員長は二度の核実験による国際社会の制裁、貨幣改革の失敗による経済難、さらに後継者選定と健康問題があるところに、「天安（チョンアン）」沈没事件の背後と疑われている状況で中国を訪問した。まさに四面楚歌の状況で中国を訪れたのだ。

孤立した金委員長は唯一依存できると判断した中国へ急いで向かった。金委員長は５日、北京で中国の胡錦濤国家主席と会い、４時間半にもわたり首脳会談と夕食会を行った。続いて６日には温家宝首相ら他の高位層との昼食会に出席した。こうした機会を借りて、金委員長は朝中関係強化の必要性を力説し、中国の積極的な支援を要請したのは明らかだ。また、「天安」沈没事件と北朝鮮は関係がないという主張を繰り返した可能性が高いと、対北朝鮮消息筋は伝えた。


金正日、歓送行事もなく急いで帰国　「儀典上の格に合わず」（２）

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