よく日本人は変化が少ないといわれる。しかし日本人はよく耐えながらも、時には大きく爆発する。代表的なのが1868年に幕府を倒した明治維新だ。8月30日の総選挙も同じだ。総選挙で大勝した鳩山由紀夫民主党代表は「国民が自民党の政治に怒りを表出した」と述べた。敗北した麻生太郎首相も「有権者の不満を解消できなかった」と敗因を分析した。自民党54年の長期執権の弊害に耐えていた日本の国民が立ち上がったのだ。それで重村智計早稲田大教授は今回の政権交代を「日本版ピープルパワー」と解説した。
日本の有権者が投票で変えた政界は、1955年以降変化を拒否してきた旧時代の遺産だ。日本特有の前近代的な政治を説明する言葉は「世襲」。親の選挙区を子が譲り受けて当選する。政治が家業だ。自民党にとりわけ多く、今年7月の解散直前には32%に達した。選挙区の人脈を意味する「地盤」、政治名門の家柄出身という「看板」、資金力を意味する「カバン」など3つの政治的基盤を意味する「3盤」がなければ政治登竜門に現れるのも難しかった。こうした閉鎖的な政治環境の中に政界・官界・財界が手を握った「鉄の三角関係」が定着した。腐敗したり無能であっても変化を拒否できた固い支配構造だ。