北朝鮮による長距離弾道ミサイルの発射を受け、国連安保理が昨日招集されたが、何の結論も出せないまま初日の会議を終えた。米国・英国・フランスなどは、北朝鮮のミサイル発射が06年に採択した安保理決議1718号の「弾道ミサイル開発禁止」条項違反であり、追加の制裁措置が必要だ、という立場を表明した。一方、中国とロシアは、北朝鮮が人工衛星の打ち上げだと主張しているだけに「主権国家の宇宙領域探査」と見なすべきだと主張した。
協議が続くとしても中国とロシアが立場を変えることを期待するのは難しい。長距離弾道ミサイルの飛翔体に転用できるロケットを発射したことで、北朝鮮は明確に「挑発的な行動」に踏み切った。にもかかわらず、安保理で拒否権を持つ中ロ両国がブレーキをかけたことで、事実上、何もなかったかのように終わってしまう雰囲気が強まっているのだ。悪い行動を処罰せずに済ませることで招かれる将来の危険に対し、中国とロシアが責任を取るという意味なのか聞きたい。