飯炊き名人「45年の味、伝授します」/日本・堺市(1)
日本の大阪堺市の食堂「銀シャリ屋 げこ亭」。シャリは日本語で白い米飯を意味する。建物は何ということもないが、「日本でいちばんうまい飯を出す店」で通じる。
店主の村嶋孟さん(78)は1963年ここに定食の店を開いた。今まで45年以上、専らご飯を炊いてきたメシ炊き名人だ。米を手先で触ってみればその日のご飯の味が分かるほどだ。幼いころ、戦争で何もかも失って雑草をかじって食べるほどのひもじさも経験した。32歳で通っていた紡織会社をやめて、妻と一緒に店を開いた。「すべての人においしいご飯を食べさせたい」というのが理由だった。