【社説】金融危機対応、市場の流れを察して半テンポ遅く
米国が7000億ドルの公的資金投入を通じる果敢な応急手術に乗り出すことにした。ジョージ・ブッシュ大統領は「米経済が後にも先にもない困難に直面したので、我々は後にも先にもない手段で対応しなければならない」と述べた。切迫した危機感がにじむ発言だ。今、米国は政策総動員令を下した状態だ。中央銀行の特別融資(ベアスタンス)と国有化(AIG)、株式空売禁止、主要6カ国中央銀行の協力介入などがすべて網羅されている。
今度の措置は米金融システムが出血過多によってショック死しないようにする応急処置だ。これまで復元力を喪失した米金融市場は政府の広範囲な介入を注文してきた。市場の失敗を認め、政府支援を自ら要望したのだ。米財務部は不安感を鎮めるために史上最大の公的資金とほとんど無制限の不良債権買入権限を許容してほしいと米議会に要請した。幸い安堵感が広がって世界主要証市は反騰し、つかえていた流通もまた回り始めた。