韓国検察、文政権の大統領府狙って一日に2度の家宅捜索(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.08.20 13:09
韓国検察が19日、一日にそれぞれ異なる2つの事件に関連して大統領記録館を家宅捜索した。「脱北船員強制送還」「月城(ウォルソン)原発早期閉鎖」疑惑のためだ。両事件ともに文在寅(ムン・ジェイン)政権の青瓦台(チョンワデ、大統領府)が核心コントロールタワーの役割をしたという疑いがある。このため検察が文在寅政権の青瓦台を本格的に標的にしたという分析が出ている。さらに要件が厳しい大統領記録館の捜索許可状が発付されたという点で「上層部ライン」に向けた捜査が加速する見通しだ。
この日、ソウル中央地検は2019年の脱北船員強制送還関連の資料を確保するため、世宗市(セジョンシ)にある大統領記録館を家宅捜索した。検察は大統領記録物のうち当時の政府の意思決定過程が入った文書を選別し、閲覧した。これを通じて盧英敏(ノ・ヨンミン)元青瓦台秘書室長、鄭義溶(チョン・ウィヨン)元国家安保室長など青瓦台の核心関係者らが北朝鮮送還を主導したかどうかを確認する狙いがあったとみられる。すでに政界などでは、青瓦台が脱北船員を拿捕する前から重大犯罪脱北者追放事例を国家情報院にあらかじめ問い合わせたため、「すでに北送還の結論を出しておいて(状況を)合わせたのでは」という疑惑が浮上した。さらに拿捕2日後の2019年11月4日に盧元秘書室長が開いた会議で北送還方針が決定し、北送還当日の同月7日には青瓦台が法務部に北送還に関する法理検討を要請し、「法的根拠がない」という判断まで受けたという状況が確認されている状態だ。今回の家宅捜索で青瓦台の事件関与がどれほど明らかになるかが注目される。
月城1号機原発の経済性改竄事件を捜査している大田(テジョン)地検刑事4部もこの日午前から大統領記録館に捜査官ら約10人を投入して家宅捜索を進めた。5月の脱原発国政壟断国民告発団をはじめ、脱原発に反対する5つの市民団体が文前大統領を告発するなど、青瓦台関係者に対する告発が続いたためだ。この事件も文在寅政権の青瓦台内部の意思決定過程に焦点が合わせている。月城原発の早期閉鎖で韓国水力原子力(韓水原)に計1481億ウォン(約150億円)の損害が発生したが、これに青瓦台関係者が関与したという疑惑だ。すでにこの事件をめぐっては、蔡熙峯(チェ・ヒボン)元青瓦台産業政策秘書官、白雲揆(ペク・ウンギュ)元産業通商資源部長官、鄭載勲(チョン・ジェフン)韓国水力原子力社長らが職権乱用の疑いで大田(テジョン)地裁で裁判を受けている。検察が大統領記録館の家宅捜索を断行したのは、裁判所が大統領指定記録物が重要な証拠に該当すると例外的に認めたからだ。