サムスンの李在鎔（イ・ジェヨン）電子副会長が故盧武鉉（ノ・ムヒョン）元大統領１０周忌追悼式に出席するために韓国を訪れたジョージ・Ｗ・ブッシュ元米大統領と２２日、面談した。ブッシュ元大統領が韓国を訪れて最初の日程だ。

二人は２０１５年１０月、ブッシュ元大統領が「プレジデントカップ大会」開幕式の参加のために韓国を訪れた後約４年ぶりの再会だ。当時、２人はゴルフラウンドをともにした。

この日、二人の面談は非公開で約３０分間行われた。李副会長とブッシュ元大統領との面談は李副会長がブッシュ元大統領の宿舎であるソウル光化門（クァンファムン）近隣のホテルで目撃されることで知らされた。李副会長は面談後「どのような話を交わしたか」という取材陣の質問に答えずホテルを出た。財界内外によると、李副会長は面談でブッシュ元大統領に最近急変しつつあるグローバル産業の環境で企業の役割をめぐりアドバイスを求めると同時に、サムスンが目指していることや自身の意見も明らかにしたという。

サムスンはブッシュ元大統領の政治的故郷と言えるテキサスに半導体工場を建てることで自然とブッシュ家と「縁」を結んだ。

ブッシュ元大統領は１９９６年テキサス州知事を務め、サムスン電子の最初の海外半導体生産ラインであるオースチン工場を誘致した。当時、ブッシュ元大統領は２年前である１９９４年、ニュート・ギングリッチ元下院議長の主導で共和党が中間選挙で勝利した時、初めて州知事に当選した「政治初年兵」だった。

あるサムスン出身財界関係者は「ブッシュ元大統領は州知事時代にサムスン電子の工場誘致など経済業績などを土台に２０００年大統領選でアール・ゴア元副大統領との接戦の末に勝利をおさめた」として「ブッシュ元大統領はサムスンに対する良い記憶を持っているだろう」と説明した。

２００３年オースチン工場で開かれたサムスン電子の「ナノテク３カ年投資」記念行事には父親であるジョージ・ＨＷ・ブッシュ元大統領（父ブッシュ）が参加した。父ブッシュは１９９２年２月、現職大統領時代に李副会長の父親である李健熙（イ・ゴンヒ）会長ともロサンゼルス（ＬＡ）のあるホテルで４０分間単独面談を行ったことがある。

李副会長は今年に入って３回にわたって外国首脳級要人と面談した。今年２月、青瓦台（チョンワデ、大統領府）でインドのナレンドラ・モディ首相の国賓午餐会に招待され、同月アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子はサムスン電子の華城（ファソン）半導体工場を訪れて李副会長に会った。

昨年２月控訴審で執行猶予判決を言い渡されて釈放された後から李副会長は今まで６回にわたって外国首脳級要人と会った。代表的に、昨年１０月にはベトナムの首都ハノイを訪問してグエン・スアン・フック首相と会談した。

昨年７月にはインドのノイダ携帯電話工場を訪問した文在寅大統領とともにモディ首相に会った。財界関係者は「グローバル市場で李副会長が持つ『民間外交官』の役割が韓国経済にも役に立つだろう」と話した。