三・一独立運動を伝えたAP特派員の邸宅「ディルクシャ」復元へ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.02.27 14:12
ソウル鍾路区(チョンノグ)杏村洞(ヘンチョンドン)1-88番地の丘には古風な赤い西洋式の邸宅がある。英国と米国の様式が混ざった建物だ。地下1階・地上2階で総面積624平方メートル規模。日本による植民地時代、ソウルでは最も大きい西洋式の個人住宅だった。杏村洞にある目立つ建物だったため、以前から住民の間では「銀杏木の家」と呼ばれてきたが、誰がなぜ建てたのかは知られていなかった。
1990年代にソウル市が調査を始め、邸宅跡地の基礎に刻まれた「DILKUSHA1923」を発見した。しかしその意味はベールに包まれていたし、建物の正体もミステリーとして残っていた。
疑問が解けたのは2006年、米国人のブルース・テイラー氏が訪韓した時だ。テイラー氏は「ここは私の父アルバート・テイラーと家族が生活していた『ディルクシャ』で、ディルクシャとはヒンディー語で『理想郷』『希望の宮殿』という意味」と説明した。1919年、日本の圧制に対して非暴力平和運動で抵抗した三・一運動を世界に知らせたアルバート・テイラー氏の行跡が約80年ぶりに照明を受ける瞬間だった。