「対米交渉、私に任せてほしい」 北朝鮮の金英哲氏、米国に秘密請託(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.26 10:53
金正恩(キム・ジョンウン)体制の権力内部に尋常ではない雰囲気が漂っている。今年最高の「パワーマン」に浮上した金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長に対する牽制(けんせい)の刃の先が権力暗闘にまで広がる様相だ。南北首脳会談はもちろん米朝最高指導者による会談の時も、金正恩国務委員長の横を至近距離で守った人物であり、ドナルド・トランプ米大統領から「北朝鮮で2番目に力が強い人」と呼ばれた金英哲氏。彼の制御に乗り出したのは崔竜海(チェ・ヨンヘ)党組織指導部長だ。年末の平壌(ピョンヤン)に巻き起こった権力暗闘の転末と展望を探ってみたい。
ソウルとワシントン外交界で金英哲氏に関連した内々の話がささやかれ始めたのは先月初め。マイク・ポンペオ米国務長官と金英哲氏の米朝高官会談が失敗に終わりながらだ。複数の北朝鮮消息筋が伝えた内密のストーリーの核心は、金英哲氏が米国側に自身の身辺に関連して「請託」をしたというものだ。北朝鮮問題に詳しい消息筋は「金英哲が交渉パートナーである米国側の要人に『米国問題も私が掌握できるようにしてほしい』というロビーをした情況がとらえられた」と耳打ちした。対南問題を主に担当する労働党統一戦線部長を兼ねる金英哲氏が米朝間交渉も自分が今後も担当できるようにしてほしいという趣旨の要請をしたということだ。消息筋は「金英哲氏が接触した米国側要人は韓国系のアンドリュー・キム(米国中央情報局コリアミッションセンター長)という見方がある」と付け加えた。