【コラム】韓国の2030世代は右傾化しているのではない(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.06.16 14:13
先週、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が訪韓した。持ち前の親しみやすさで、産業界の現場はもちろん、チキン店、PCバン(ネットカフェ)、野球場、大学まで縦横無尽に駆け巡った。だが、集まったのは関係者や報道陣ばかりで、一般の人々の熱気や反応は以前ほどではなかった。昨年秋に訪韓した際には、フアンCEOが立ち寄ったチキン店に若者たちが押し寄せて大騒ぎになった。今回はそうしたことはなかった。若者たちは、フアンCEOの精力的な行動は自身のビジネスのためだと考えている。非難すべきことではないが、だからといって興奮することでもない。フアンCEOと会った韓国企業の経営者たちも、それぞれの利益のために動いている。AIや半導体、ロボット、ゲーム産業が成長して利益が生まれれば、それは彼らのものだ。サムスン電子の成果給を目の当たりにして、若者たちの思いはいっそう固まった。「彼らだけのリーグ」に付き合うつもりはないということだ。ネット上のコメントはもともと批判的になりがちだが、フアンCEOの記事には好意的なコメントがそれほど多くなかった。若者たちの関心は、フアンCEOがチキンとビールを味わった弘大(ホンデ)前ではなく、投票用紙不足問題が発生した蚕室(チャムシル)に向いていた。
対立の核心は雇用不足と資産格差だ。5月の若年層(15~29歳)の就業者数は、1年前に比べて25万人も減少した。AIという大きな波の中で、企業が人を多く採用しなくなっているためだ。特に新卒一括採用を減らしたことは若者たちにとって致命的だ。新卒者は応募書類すら受け付けてもらえない。大学卒業後にインターンなどの経歴を改めて積まなければならない。そうして30歳を超えると、今度は年齢が高いという理由で採用されない。最初の就職先を早く決めなければ、その後の足掛かりも得られないが、それが容易ではない。