「失敗することを願って、応援してくれる部分が少し残念だったからです」



洪明甫（ホン・ミョンボ）監督率いる韓国代表の中央ＤＦ、金玟哉（キム・ミンジェ、バイエルン・ミュンヘン）がパレスチナ戦直後、ファンのブーイングに抗議した理由について、このように述べた。洪明甫（ホン・ミョンボ）監督率いる国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング２３位の韓国は５日、ソウルＷ杯（ワールドカップ）競技場で行われたパレスチナとの２０２６北中米Ｗ杯アジア３次予選Ｂ組第１戦で、終始もどかしい流れを切り返すことができずに苦戦し、０－０の引き分けで終わった。パレスチナはＦＩＦＡランキング９６位で、韓国より７３ランクも低いＢ組の最弱チームだ。

試合後、金玟哉は観客席に近寄り、しばらくファンと対峙した。固い表情の金玟哉はファンに向かって両手を上げて「自制してほしい」というような動作をした。金玟哉は試合後「皆さん深刻に考えているようだが『ただ選手たちを応援していただけたらと思う』と申し上げた」とし、「実際、私たちが最初からうまくプレーできなかったわけではなかった。また、（私の意図を）歪曲して私のＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）にやってきてそうおっしゃる方々がいらっしゃるが、私たちが（試合）開始からうまくプレーできなかったわけではない」と述べた。

２０１４年ブラジルＷ杯本大会以来、１０年３カ月ぶりに再び代表チームの指揮を執った洪明甫監督は復帰戦の勝利を逃し、再び激しい非難の世論の中心に立った。７月、大韓サッカー協会が戦力強化委員会の協議過程を無視して一方的に監督選任を発表して以来、ファンは洪監督に対して冷たい視線を送っている。

この日の試合に先立ち、選手団紹介の際に場内アナウンサーが洪監督の名前を読み上げると、６万人余りの観衆が一斉にブーイングを浴びせた。試合途中も電光掲示板に洪監督の顔が映る度に「うー」というブーイングがグラウンド周辺を覆った。その後、洪監督率いる韓国代表チームは相手チームだけでなく、ホームのファンの冷たい視線とも戦わなければならない負担を抱えることになった。

金玟哉は「失敗することを願って応援してくれる部分が少し残念だったので、そのように申し上げたかった。それでそうお伝えしたのであって、全く深刻な雰囲気ではなかった」と繰り返し述べた。また、残念な気持ちが消えていないのか、「深刻に受け止めないでほしいとは思うが、それは考え方次第だから、そう受け止めた方々はそれでいい」と述べた。

金玟哉は「雰囲気が良くない中でもファンの方々が来てくださって応援してくださったが、選手たちも皆感謝している。私がファンの方々のところに行ったことを良くないと思う方々は、そう思っても良い。しかし、全くそのような意図、攻撃的に（ファンの方々に）対するとか、そのような意味はなかった。選手たちが当然うまくプレーするべきだった。それができなくて申し訳ない」と語った。