一部では新任の検察総長就任後に全州地検で捜査中のイースター航空特恵採用疑惑事件が中央地検に移送される可能性に言及されている。まず李昌洙（イ・チャンス）中央地検長が２０２３年９月－２４年５月に全州地検長としてこの事件を総括指揮したうえ、中央地検も金夫人がかかわる各種疑惑事件を捜査中であるからだ。ただ、最高検察庁の関係者は「事件の移送は内部議論もされていない。事実無根」と話した。

全州地検のイースター航空特恵採用疑惑捜査が最終局面に向かう中、ソウル中央地検もタージマハル出張など金正淑夫人をめぐる疑惑事件の捜査を加速させている。中央地検が捜査中の事件の中でもいわゆる「大統領夫人衣装費問題」の場合、出どころが不明な金夫人の現金使用取引状況が中心だ。金夫人が当時、韓服や靴など一度に数百万ウォンの衣装費を全額５万ウォン札の現金で支払ったという疑惑だ。

中央地検刑事２部は金夫人の衣装費疑惑の場合、こうした現金取引の背景と資金の出どころを究明することに焦点を合わせた。金夫人は文在寅政権の任期５年間、海外国賓訪問と大統領夫人資格で参加する国内行事日程などのために持続的に服を購入した。普段から服を購入していたデザイナーの娘を青瓦台総務秘書官室所属で採用し、衣装購買業務を任せたりもした。

文在寅政権の発足直後の２０１７年には重要無形文化財に指定された韓服デザイナーのチマチョゴリやトゥルマギなど約７００ウォンの服を購入したが、この時も代金は全額５万ウォン札の現金で支払った。このデザイナーから購入した３００万ウォンの韓服コートも同じだ。検察は金夫人が高価な衣装を周期的に購入しながらカードでなく現金を使用した背景とその現金の出どころを追跡するのに捜査力を集めている。