◆「友邦を考慮して紛争拡大を避ける可能性」

半面、イスラエルが紛争拡大を避けるために報復の程度を制限するという見方もある。ヘブライ大学トルーマン研究所のメルハビ研究員は「イスラエルは同盟国の立場を考慮しなければいけない」とし「事実上、米国の承認がなければ報復するのは難しいはず」と話した。

ＩＮＳＳのイラン専門家シーマ・シャイン氏は「イスラエルの報復は民間地域でなく軍事地域を目標に行われるだろう」と予想した。１３日にイランがイスラエルを直接攻撃するという初の事態が発生したが、イランは意図的に紛争拡大を避けたという解釈があった。イランはイスラエルの民間施設でなく政府・軍事施設を攻撃目標にし、米国にイスラエルに対する概略的報復の時点と程度を知らせた。

峨山政策研究院のチャン・ジヒャン中東研究センター長も中央日報に「イスラエルは米国など友邦とガザ地区戦争による世論悪化などを考慮し、全面的な報復はしないようだ」とし「イラン本土を狙った反撃は可能性が低いとみている」と述べた。

ガーディアンはイスラエルは本土がミサイル攻撃を受けた後に紛争拡大を自制した前例があると伝えた。１９９１年にイラクのサダム・フセイン大統領は湾岸戦争当時、イスラエルにスカッドミサイル数十発を発射した。これに対しイスラエルの反撃が予想されたが、米国の引き止めでイスラエルは報復しなかった。

しかし米シンクタンク「センチュリー財団」のシェインドリン研究員は「かつてネタニヤフ首相は状況を悪化させる政治家ではなかったが、ハマスとの戦争で見られたように変化が表れているため、現イスラエル政府の今後の動きは予断できない」と話した。

イスラエルの報復レベルに国際社会が注目…「自制する」「情勢激化」予想分かれる（１）