【中央時評】ダークホースを除去する韓国社会
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2024.02.15 16:27
ある外国人ユーチューバーの韓国旅行記が話題になった。旅行記は韓国に関する疑問で始まる。先端技術と文化産業の躍進で韓国という国は脚光を浴びているが、韓国の人たちはなぜ不幸だと感じているのだろうか。彼が見つけた答えは圧縮的成長を経た韓国が儒教文化と資本主義文化の短所ばかりをつかんだということだ。各自の個性を尊重するよりも体面を強調する文化の中で、絶えず比較と競争で人々はいつも不安を感じるということだ。主犯は思い浮かぶ。教育問題は私たちの「部屋の中の象」になって久しい。女性の経歴断絶と出生率の急低下、不動産問題と地方消滅、高齢者貧困問題にも教育が絡んでいる。最も懸念されるのは青少年が幸せでないという点だ。幸せでない青少年が幸せな成人になれるだろうか。
人工知能の進化で世の中の変化は数倍速くなった。分野を問わず与えられた質問に速やかに答えを出す人でなく、与えられた答えにタックルをして新たな質問を投げかける人物が未来のリーダーという点に異見はない。こうした環境の中で最も代替不可能で希少性があるのは結局、各自が持つ「自分らしさ」だ。自分らしさを基礎に一個人の成長は、慣れない状況に身を投じながら、いろんな人たちと交流しながら、余裕のある時間の中で作られる。上の世代にとって成長期のどたばたが時間の浪費だったなら、今はまさにこうした過程で自分らしさが形成され、不確実性を乗り越えていく丈夫な筋力が育まれる。