シリアやレバノン、イラク、イエメンなどイランの支援を受けている「抵抗の軸」勢力と米国・イスラエルが中東各地で連日衝突している。イスラエル・ハマスのガザ地区戦争によって触発された両側間の葛藤が相互空襲へと深まり、中東地域の戦争拡大の懸念がますます高まっている。

◇イラクの親イラン勢力、米軍基地を攻撃

２０日（現地時間）、中東地域を担当する米国中央軍司令部（ＣＥＮＴＣＯＭ）はこの日声明を出して「イラク西部でイランの支援を受けている武装勢力がアル・アサド空軍基地に繰り返し弾道ミサイルとロケットを発射した」と明らかにした。イラクとシリアに駐留中の米軍は過激派組織イスラム国（ＩＳ）撃退のために連合軍の一部として活動している。

この日発射されたミサイルやロケットのほとんどは米軍防空システムによって迎撃された。だが、一部施設は打撃を受け、米軍側の兵士の一部が外傷性脳損傷に対する検査を受けていると中央軍司令部は伝えた。ただし負傷者が何人なのか、どのような状態なのか等についての具体的な内容は確認されなかった。

ＣＮＮ放送は昨年１０月７日にガザ地区戦争が始まって以来、イラクで親イラン武装勢力が米軍と連合軍を狙って弾道ミサイルを発射したのは今回が２回目だと伝えた。同じ期間、米軍などに対するドローン・ロケット攻撃は１４３回以上にのぼることが分かった。

イラクの現地武装勢力であるイスラミック・レジスタントはこの日、攻撃の背後を自任した。彼らは「米国『占領軍』に対する抵抗であり、ガザ地区のパレスチナ国民に対するシオニズム団体（イスラエル）の虐殺に対する対応」と主張した。

国連事務総長のイラク特別代表は声明を通じて「ガザ地区戦争でイラクが紛争にまきこまれる危険がある『重大な峠』を迎えている」と警告した。続いて「イラク国境内外で発生した持続的な攻撃は、やっと手に入れたイラクの安定と最近数年間の成果を台無しにする行為」と懸念した。

米・イスラエルｖｓ親イラン「抵抗の軸」各地で衝突…中東で高まる戦争拡大危機（２）