デンマークのフレデリック皇太子（５５）が１４日午後（現地時間）、国王に即位した。デンマークで新しい国王が誕生するのは５２年ぶりのことだ。新国王はマルグレーテ２世（８３）女王の長男だ。先月、退位を公式宣言したマルグレーテ２世の退位式も同時に行われた。マルグレーテ２世は英国エリザベス２世女王が２０２２年９月に逝去した後、現存する最も在位期間の長い君主だった。

この日、ＡＦＰ通信は「歴史的な行事を見るためにコペンハーゲン行きの国内線航空便と列車が売り切れ、ホテルは予約がいっぱいになった」と伝えた。コペンハーゲンの通りには群衆数万人が集まった。半世紀ぶりに新しい王が王位を継承するが、デンマーク王室は豪華な戴冠式は行わなかった。王室直系家族と政府の主要が出席した中で、即位宣言式とバルコニーでの対国民演説などに代わった。

これについて、ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）は「昨年行われたチャールズ３世英国王の戴冠式に疲労感を感じた英国の若者もいる」とし「フレデリック皇太子の国王即位式は現代的」と評価した。

デンマーク王室はこれまで質素な姿でデンマーク国民から高い支持を得てきた。マルグレーテ２世女王は予算節減のために即位５０周年行事を大幅に縮小し、次男のヨアキム王子の４人の子供たちの王室称号を剥奪してまで王室規模を減らした。

フレデリック１０世に即位するフレデリック皇太子も普段自転車を愛用し、群衆とも気兼ねなく付き合う姿を見せてきた。デンマーク王室の支持率は、マルグレーテ２世女王の即位当時４５％だったが、彼の在位中に８０％台に上がった。

フレデリック皇太子はデンマークのオーフス大学で政治学を専攻し、デンマーク語の他にも英語、フランス語、ドイツ語を駆使するとＡＰ通信は伝えた。１９８６年から陸軍・空軍・海軍で長期間軍生活をし、過酷な訓練で有名なデンマーク海軍特殊部隊で服務した。マラソンやトライアスロンを楽しみ、ロック音楽にも関心が高いという。デンマーク内の世論調査ではデンマーク人の８２％が「フレデリック皇太子が国王の役割を上手く果たすか、または上手く果たすことができると思う」と答えた。

ＣＮＮによると、今回の即位式でデンマークには初のオーストラリア出身王妃が誕生する。メアリー（５１）皇太子妃はオーストラリアのタスマニアで生まれ、普通の会社員として過ごし、２０００年シドニーオリンピック（五輪）当時、オーストラリアを訪れたフレデリック皇太子と居酒屋で出会って恋に落ちた。

２人は熱愛の末に２００４年に結婚した。メアリー皇太子妃はデンマークに来てわずか数カ月でデンマーク語を身につけるなど、親和的な行動でデンマークで人気が高い。メアリー皇太子妃の父親ジョン・ダルグレイシュ・ドナルドソン氏は数学教授で、２００２年から３年間ＫＡＩＳＴに在職し、韓国とも縁がある。

フレデリック皇太子夫妻にはクリスチャン（１８）王子やイサベラ（１６）王女、双子のヨセフィーネ（１３）王女とヴィンセント（１３）王子の４人の子供がいる。父親の国王即位で王位継承序列１位になった長男クリスチャン王子は、赤ちゃんだった当時、真剣な表情で韓国で「グノミ（謹厳な人）」というニックネームをつけられたこともある。

ＣＮＮは専門家の話として「デンマーク王室は人気が高いが、王室が今後も広範にわたる支持を得るためには、フレデリック皇太子が即位した後、色々な方面の仕事ができるということを証明しなければならない」と指摘した。