【社説】既成世代を恥じ入らせた韓国チーム「ロールドカップ」優勝の快挙
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.11.21 14:17
「eスポーツ界のメッシ」と呼ばれる「Faker」イ・サンヒョク率いる韓国チーム「T1」が世界最大の大会である「リーグ・オブ・レジェンド・ワールドチャンピオンシップ(ロールドカップ)」決勝戦で中国チーム「WBG」を破って優勝を飾った。イ・サンヒョクとT1はそれぞれ4回優勝という大記録を打ち立てた。韓国選手の善戦に劣らず驚いたのはeスポーツの熱気の高さだった。一昨日にソウル高尺スカイドームで開かれた今回の対戦チケットは8月の事前前売りの際に20分で完売した。チケットを手に入れられなかったファン1万5000人は肌を切るような寒さの中でもソウル光化門(クァンファムン)広場に集まって街頭応援に精を出した。闇チケットがイム・ヨンウンのコンサートを凌駕するという話が出るほどだ。
あなたがこのような熱狂に慣れていない既成世代なら、韓国青年の成就に喜ぶ前にeスポーツに対する偏見と固定観念から一度振り返ってみる必要がある。選手たちはゲームが中毒性有害物という社会の偏見と対抗して戦ってこなくてはならなかった。2003年プロゲーマーのイム・ヨハン選手のインタビューはまだ膾炙する。男性司会者がイム選手に「現実の中でも危機感のようなものは感じられますか。誰かが自分に危害を加えるかもしれないという…」と質問した。女性司会者は「暴力団側とつながっているという話もある」ともした。ゲームを犯罪と暴力に関連させるような質問にあきれる世界的な選手の表情がeスポーツの現実を示す象徴として繰り返し引き合いに出される。わずか2年前まで維持されていたシャットダウン制(青少年の深夜ゲーム接続遮断)もある。2012年フランスで開かれた大会に参加した韓国の中3のプロゲーマーが試合中に「あ、そうだ。シャットダウンされてしまうんだった」という言葉を残した後、セットをあきらめて世界を戸惑わせた。