１０日の英ＢＢＣなど海外メディアによると、イスラエル中部ガノットに住むヨニ・アシャさん（３７）は妻と５歳、３歳の娘がイスラム組織ハマスの隊員にガザ地区に拉致されたことを確認した。拉致される前、３人はガザ地区に近い親せきの家にいた。

ヨニさんは「土曜日午前１０時３０分ごろ、妻と最後に電話をした」とし「妻はハマスのテロリストが家の中に入ってきたと話していた」と伝えた。しかし「すぐに電話が切れ、しばらくして携帯電話の位置を追跡したところ、ガザ地区にあることが分かった」と話した。

ヨニさんはＳＮＳで広まった映像で、家族が人質になってトラックの貨物室に乗っている場面を見た。ヨニさんは「家族がどれほど拘束されるのか、どういう状態なのか分からない。いま状況は悪くなるばかりだ」とし「外交官の間で交渉などがあると信じたいが、何も分からないというのが最もつらい」と語った。

また「家族がこうした状況を無事に乗り越えて、一刻も早く家に戻ってくることを祈る」とし「ハマスは女性と子どもを解放するべきだ」と訴えた。

ハマスが約１５０人を人質にとり、家族の生死を把握できない人たちが深く心配している。イスラエル東南部のネゲブ砂漠で開かれたノバミュージックフェスティバル現場で拉致されたことが把握されたドイツ出身女性のシャニー・ルークさん（２３）の母リカルダ・ルークさんは８日、ＳＮＳに映像を載せ、「娘が観光客と共にハマスに拉致された。意識のない娘が車に乗ってガザ地区に連れて行かれる姿が入った映像が広まっている」とし「娘に関する情報を知っていれば助けてほしい」と訴えた。

元夫と２人の娘がハマスに拉致されたことを知った女性マイヤン・ジンさんも家族が無事に戻ることを祈っている。ジンさんはオンライン上の映像で、ハマスの隊員が脚に出血がある元夫と泣く１５歳と８歳の娘の姿を目撃した。別の映像には国境を越えてガザ地区に連れられる場面があった。ジンさんはＡＰ通信を通じて「娘たちが家族のもとに戻れるようにしてほしい」と哀願した。