中国の大手不動産会社・碧桂園（カントリー・ガーデン）のデフォルト危機を筆頭に、最近提起されている中国経済危機説について駐米国中国大使が真っ向から反論した。

謝鋒駐米中国大使は３１日（現地時間）、ワシントンポスト（ＷＰ）に掲載した「中国経済はあなたが思うよりうまくいっている」という見出しの寄稿で、最近高まっている中国経済危機説に反論した。

中国の不動産大手・碧桂園のデフォルト危機をはじめ、２０％を上回る青年失業率、４月の５．６％から７月に３．７％に下落した産業生産増加率、同期間１８．４％から２．５％に落ち込んだ小売販売増加率、３月のプラス１４．８％から７月にマイナス１４．５％へと急落した輸出増加率など、中国経済の危機説を裏付ける様々な指標が存在する。

謝鋒大使も寄稿で「ポストコロナ時期の経済回復に向かう道は順調ではない」とし、「度々紆余曲折や起伏のある進展をすることになる」とし、中国経済の低調な回復傾向を事実上認めた。

それでも謝大使は、中国経済の基礎体力に関する指標と、中国内の外国企業の活発な活動などを根拠に提示し、危機説に抗弁し、米国の対中牽制および圧迫の中断を促した。

まず謝大使は中国が前年比５．５％と発表した上半期国内総生産（ＧＤＰ）成長率、中国が今年５．６％の成長を成し遂げるという世界銀行（ＷＢ）の予測値、フランス・英国・日本・ドイツなど先進国の対中投資増加傾向などを根拠とし、「今年の中国経済は引き続き回復および成長している」と力説した。

続いて中国の消費反騰に言及し、「米国の人口より多い中国人の５億２００万人が今夏（映画館で）映画を見た」と紹介し、不安定な輸出については「中国が世界輸出市場の１４％を占めている」と強調した。

また、現在４億人を超える中国の中産層が２０３５年までに８億人以上に増えるとも主張した。

合わせて中国政府が最近、消費および民間経済活性化、外国人投資誘致拡大などのための誘引策を出し、不動産部門安定化と金融リスク予防のための政策などで成果を上げているとも述べた。

また、「政策の道具箱に十分な空間があるため、我々はシステムリスクを未然に防げると確信している」と強調した。

謝大使は「中国が一時的な経済調整期を送る状況で、一部は中国が世界経済を引き下げていると非難し、他の一部は『中国が崩壊するかもしれない』という理論を展開しているが、これが公正なのか」と反問した。

また、「中国が経済的に崩壊する可能性があり、米国は依然として繁栄できるという考えは完全な妄想であることを、多くの米国の友人が悟るようになった」とし、「米国は中国に対する技術輸出統制、投資制限、経済制裁および高率関税を解除しなければならない」と声を高めた。

また「米国はデリスキング（Ｄｅ－ｒｉｓｋｉｎｇ、危険回避）を名分にデカップリング（ｄｅｃｏｕｐｌｉｎｇ、供給網などから中国を分離）を追求することを中断しなければならない」とし「デリスキング、デカップリングなどはただでさえ良くない世界経済をさらにこじらせるだけ」と述べた。