北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長が２８日、北朝鮮の海軍節を迎え、娘のキム・ジュエ氏とともに海軍司令部を訪問し、将兵らを激励した。

朝鮮中央通信は２９日、「敬愛する金正恩同志が愛するご子弟と共に海軍司令部に到着すると、海軍将兵たちは意味深い創立節（海軍節）に無償の栄光と特典を受けることができた感激と歓喜にあふれ、熱狂の歓呼を上げ続けた」と報じた。ここで「愛するご子弟」とは金委員長の娘のキム・ジュエ氏を意味する。

キム・ジュエ氏が公の場に登場したのは約３カ月ぶりのことだ。５月１７日に金委員長の偵察衛星発射準備委員会の現地指導で白衣に白い帽子をかぶった姿を現した。

金委員長は同日、海軍司令官から作戦計画に関する報告を受けた後、いかなる不意の武力衝突事態や戦争でも主導権を持って先制的攻勢のための主体的海軍作戦戦術的方針を提示したと、朝鮮中央通信が伝えた。

また、金委員長は演説で１８日（現地時間）、米大統領の別荘のキャンプ・デービッドで開かれた韓米日首脳会議を指したかのように「先日は米国と日本、『大韓民国』の暴力団の親分たちが集まって３者間の各種合同軍事演習を定期化することを公表し、その実行に着手した」と非難した。

金委員長は「米国をはじめとする敵対勢力の無謀な対決策動によって、今、朝鮮半島水域は世界最大の戦争装備集結水域、最も不安定な核戦争危険水域に変わってしまった」とし、韓半島（朝鮮半島）の情勢不安の責任を韓日米３カ国に転嫁した。また、「造成された現情勢は我が国の海軍が戦争の準備完成に総力を尽くして常時的に臨戦態勢を維持し、有事の際に敵の戦争の意志を破綻させ、最高司令部の軍事戦略を貫徹できるよう準備されることを要している」と強調した。

この日、金委員長の海軍司令部訪問には、キム・ジュエ氏をはじめ李炳哲（イ・ビョンチョル）労働党書記、朴正天（パク・チョンチョン）元労働党中央軍事委員会副委員長、強純男（カン・スンナム）国防相も同行した。